想像力を持つ事の重要性について

世の中には「常識」の範囲の外で物事が動いていることが日常茶飯事だ。

たかだか数十年程度生きてきた位の自分の物差しで、「常識だと思えない」ことを批判するのは簡単だ。だけど、その態度からはおそらく何も生まない。

 

経験していないことも想像してみる。ある一面からだけでなく、ありとあらゆる角度から検討してみる。共感はできないのかもしれないが、理解しようとすること。

 

togetter.com

「医師になったことを後悔している将来の君へ」

後悔の構造についての記事。あとからゆっくり読みたいと思う。

たしかに自分が18才の頃を振り返ってみると、自分の将来は単に「可能性に満ちあふれているもの」であり、漠然とした何かであって、自らが選び取る対象ではなかったように思う。そういう意味でも、自分の意志で医者という職業を志し、その道の第一歩を踏み出せたことは幸せなのだと思う。

 

kaigolab.com

新歓振り返り1

■新歓の雰囲気について

医学部の新歓は結構独特だなと感じた。部活に入るのが当然という雰囲気のもと、皆が皆部活に入部し、その活動にコミットしていく。これは自分で意識していかないと、知らない間に多様性への寛容性が小さくなっていくような気がする。まぁそれはつまり、それ以外の世界を知っている人からすると何かしら新しい価値を生み出すチャンスなようにも見えた気もする。もちろん、この雰囲気が悪い訳ではないし、新入生からすると、当然そうなる構造をしているから上記のようになるのは当たり前だ。でもせっかく他の学生とは少しばかり違う立場で医学部に入学したのだから、多少なりとも従来とは違った影響を与えていければと思う。

 

■どのような影響を与えたいのか

医師という職業の特殊性について考える時間を取る雰囲気にしたい。波頭さんの'プロフェッショナル原論'によると、プロフェッショナルとして認められるのは医師、弁護士、コンサルタントの3つだけなのだそうだ。(このあたりは賛否両論あると思うが。)その前提でいくのであれば、その特殊性、つまり医師の持つべきプロフェッショナリズムについて真剣に考え、行動に移していく必要があるのだと感じる。そういった事を正面切って発言できるような、オープンな場で学べるようにしていきたいと思う。

卒後7年目の医師の話

卒後7年目の女性医師(麻酔科医)とお話する機会があったので、メモとして記録しておきたいと思う。

 

■卒後5年は徹底的に技能を磨き、苦労を重ねよ

最初にとにかく頑張っておくべきである。最初は辛いが、それを乗り越えると自分の臨む働き方や身につけたい技能に合わせて職場を選択できるようになる。それまではひたすらやり切るしかない。そのためにはある程度の規模の病院で、高い技能をもち、プロフェッショナリズムを持った医師のいる職場を選ぶべき。忙しさもいとわないという姿勢が大事。病院によっては、低い倫理観のもと、かなり雑な処置をしているような医師しかいない病院もある。そういう所で最初にキャリアを積んでしまうとキャリアが詰む。

 

■尊敬できる医師の下で、プロフェッショナリズムを身につけよ

将来進みたい診療科に限らず、尊敬できる医師を見つけ、医療のプロとして働く姿勢を身につけていく必要がある。自分の例で言うと、循環器内科の先生がそうだった。循環器内科を専門にすると、その特性上、悪性腫瘍の判断がつきかねるというケースがたまにあるが、その先生は悪性腫瘍の判断が適切で見逃しが一切なかった。だから他科の先生からの信頼も厚く、その先生から診察を依頼されたらまず優先的に持ってくるように、という指示まで飛ぶようになった。この先生のように、高い技術と他科のドクターとの協力体制を築き、患者のために身を尽くせるようにならなければならない。

 

■僕に向いている診療科は?

意外と放射線科とかは向いているかもしれない。あの科の先生たちは本当に頭がいい人たちが多く、まず最初の治療判断をする科なので、スマートな人たちが集まっている印象がある。そういった点で向いている気がする。また、診断医であれば働き方も比較的決めやすいという側面もある。ちなみに画像診断が完全にとって変わられることは少ない印象を受ける。理想状態での比較であれば機械が出来ることが広がってくると思うが、医学には破格というものがあり、その判断を機械がするようになるとは(今のところは思えない。)

参考: http://www.cellbiology.jp/education/education1.html

 

■他の診療科について

まず自分の専門である麻酔科だが、自分の印象では上昇思考が強い男性医師は向いていない気もする。外科医の下支えという印象を持っている医師も多いため、そのあたりを上手くかわしながら場をやりくりしていく必要があるが、そういった役割は何となく女性の方が向いているという印象がある。また、ある程度ルーティンワーク化してくる傾向は否めない(もちろん一回一回違いはあるが)ので、決まった作業が嫌だ、と思う人には向いていないかも。また、自分は一時期呼吸器内科も検討していたが、選ばなかった。その理由は専門範囲と診療範囲の責任の齟齬が大きいと判断したから。例えば当直であれば循環器内科だろうが呼吸器系の疾患も見る必要が出てくる。一方で例えば整形外科であれば整形以外の疾患は他の専門の外科に回しやすいという雰囲気がある。もちろん簡単な診療はできるのだろうが、自分の専門の範囲外の責任をそう簡単に背負うことは出来ないし、患者のためにもならないと思ったので、専門の範囲と責任の範囲が出来るだけ一致するような診療科を検討したら麻酔科医に行き着いた。

 

■もっと詳しく教えてください

他の診療科で例えばリハビリテーション科や緩和ケアなどといった診療科は、今のところは若干第二のキャリアとして意識されているというのは否めない。例えばリハビリテーション科であれば、整形出身の人が家庭の事情やワークライフバランスを考えて、といったケースが実際に多いらしく、周囲の医師もそのように認識しているというのが現状ではある。もしこういった科に進むのであれば、そのような見え方になる、ということは知っておいた方がいいかもしれない。

新歓振り返り2

■教授の話

今回の話は全学共通の話も多分に含まれていたが、その中でもいくつか心に残しておきたい話もあったので、ここに備忘として残しておきたいと思います。

 

医師の道

まず、医師の道は将来安定の道ではなく、様々なリスクを負った道であるということ。慎重に歩いていても道を外しうる可能性がある。そういった細く険しい道を君たちは歩いていくのだから、よけいなリスクを負わないように気をつけなさい、ということだった。学生ではなく、将来の医師としての自覚を持ち続け、自分の行動は医師としてふさわしいものかを自問せよ、ということだった。

 

学問に励め

これから大学生活を始めるにあたり、色々と遊びたい欲もあるだろうが、きちんと学問を修めよ、というメッセージもあった。そこで海外の大学のことについて言及していた。とある国には国立の医学部というものがないというケースもあるらしく、医師になるにはたいていの場合、最初から借金をしてから入ってくるケースがほとんどであり、一刻も早く一流の医師になろうというインセンティブが働くそうだ。だから、みんな学生の間に部活・サークルもしないし、アルバイトもほとんどしないそうだ。君たちはそういった学生とも将来競わなければならないのだから、目の色を変えて勉強しなさい、という話があった。

 

 

 

新歓振り返り1

■新歓の雰囲気について

医学部の新歓は結構独特だなと感じた。部活に入るのが当然という雰囲気のもと、皆が皆部活に入部し、その活動にコミットしていく。これは自分で意識していかないと、知らない間に多様性への寛容性が小さくなっていくような気がする。まぁそれはつまり、それ以外の世界を知っている人からすると何かしら新しい価値を生み出すチャンスなようにも見えた気もする。もちろん、この雰囲気が悪い訳ではないし、新入生からすると、当然そうなる構造をしているから上記のようになるのは当たり前だ。でもせっかく他の学生とは少しばかり違う立場で医学部に入学したのだから、多少なりとも従来とは違った影響を与えていければと思う。

 

■どのような影響を与えたいのか

医師という職業の特殊性について考える時間を取る雰囲気にしたい。波頭さんの'プロフェッショナル原論'によると、プロフェッショナルとして認められるのは医師、弁護士、コンサルタントの3つだけなのだそうだ。(このあたりは賛否両論あると思うが。)その前提でいくのであれば、その特殊性、つまり医師の持つべきプロフェッショナリズムについて真剣に考え、行動に移していく必要があるのだと感じる。そういった事を正面切って発言できるような、オープンな場で学べるようにしていきたいと思う。

【書評メモ】若手医師のためのキャリアパス論

[若手医師のためのキャリアパス論]

 

1.悩めるあなたは原点回帰:まずは自分と自分の立ち位置を見直そう

-医局制度と村八分の原理

-新臨床研修制度と医局の崩壊

-自由の苦しみ

-あなたへの根源的質問:なぜあなたは医師になったのか?

-医師はサービス業?

-医師とは、根源的に素晴らしい仕事だ

-診療科は裸の自分の性格を見つめ直してから選べ

 

2.がむしゃらに頑張る前に:医師におけるキャリアパスとは

-キャリアパスとは何か

-昇進や昇格って言われても

-もうつまらない競争はしたくない

-どのような医師が理想?

-Number one を目指さなくても良い

-Only one を目指せ

-よく考えないとOnly one ではなくSome of them になってしまう

 

3.患者さんを見るだけが仕事じゃない:三大業務を押さえよう

-三大業務の筆頭は臨床

-臨床はSpecialistを目指せ

-Specialistは絞りのステップがある

-Generalistとは「俺はなんでも診ることができる」と自分で言っている医師のことではない

-研究をしよう:新臨床研修制度で研究志向が弱まった

-基礎研究と臨床研究

-研究する医師は臨床もできる

-研究、すなわちそれはOnly one

-研究にアクセスするにはどうしたら良いか

-学会発表をたくさんしよう

-研究するなら今がチャンス

-教育:学校の教育と医師教育

-教育にもステップがある

-教育ステップにも3つのベクトル:経験豊かな先輩と仲良くしよう

-大学生の勉強法=非プレイヤーの勉強法では差がつかない

 

4.計画的偶発性

-みんな偶然が起きて成功した

-ノーベル賞受賞者ですら、一見すると行き当たりばったりの人生

-「計画的偶発性」は偶然を幸運と認識できること

-身近な計画的偶発性に基づく事例①

-身近な計画的偶発性に基づく事例②

-計画的に偶発を起こすために①:人と場所を求める

-計画的に偶発を起こすために②:自分を知る

-計画的に偶発を起こすために③:幸運の女神を捕まえろ

 

5.20年後を何となく、7年後を大まかに、3年後を具体的に(20年後、7年後

、3年後の理論)

-20年後の自分を曖昧でも良いから大きく考える

-7年後の自分はどうなっていなければいけないか、逆算して考える

-3年後の自分のためなら具体的な努力ができる

-具体的すぎる目標を無理に立てるとどうなるか

-狭すぎる目標に向かう人生なんてつまらない

-20年後、7年後、3年後の理論は幸福になるためのキャリアパス理論

-あなたは20年後、どこかで何かのOnly oneになっている

-具体的な目標に挫折してしまった時

 

 

若手医師のためのキャリアパス論―あなたの医師人生を10倍輝かせる方法

若手医師のためのキャリアパス論―あなたの医師人生を10倍輝かせる方法