画像診断は機械に取って変わられるのか。

僕はまだ医学部の1年生であるが、将来どのような診療科に進もうか、ということをけっこう意識して生活しています。6年という期間で医学の基礎知識をつけ、その後2年は初期研修で様々な科をローテーションするので、まだまだ自分の専門領域を定める必要はないのかもしれないが、他の医学生より年齢を重ねている分、そういった話には敏感でありたいと思っているからです。

 

以前、知り合いの臨床医の方と話をしていて、「僕に向いている診療科は何か」という話をしてくれていた。その時、「放射線科とかは意外と向いているかも」と言われたので、ここ2〜3日それについてのリサーチをしていた。

 

■向いていそうだと思った理由

・最先端の科学技術が入ってくる頻度が非常に高い

・全身をジェネラルに見る事ができ、画像やデータに基づいた詳細な判断が下しやすい

・技術集約というより知識集約という側面が大きそう

・長時間の手術などに関わる可能性が外科などよりも少なく、体力勝負になりにくい

・日本国内では放射線科医の成り手がまだ少なく、需要の高い分野である

 

しかし一方で、放射線科医のメインの仕事である画像診断の基本は「形態を見て、何らかのアルゴリズムに則って基準値との差を判断する」というパターン認識になると思うので、この領域は「将来どんどん機械が代行するようになる分野なのでは?」という不安もあると感じました。

最近だとアルファ碁に代表されるような深層学習によって、すでにデータが十分量たまっている場合には機械が代行するというのは可能性としてはかなり高いと思います。

 

そのような前提のもと、僕なりの思考実験の結論としては、放射線科医で特に診断をメインとする場合の仕事は、以下のようになるのではないかと考えています。

 

・データが十分に存在していて、変動が少ない領域の画像診断はその大半を機械が行い、最終承認を医師が実施する

・データは十分に存在しているがかなり個人差が大きく変動が大きい領域の画像診断は機械が出してきた診断を元に、数名の医師が自身の経験則や実際の患者の容態を含めた突合を行い、最終判断を医師が下す

・技術の進歩によって従来の画像には映り込まなかったデータが映るようになった場合、そのデータと対応する症例の判断をし、データを収集する。その収集されたデータを元に、症例決定のアルゴリズムを作成する

・機械が対応することの難しい救急時の読影を行う(患者が暴れてしまい、奇麗な画像が映っていない場合など)

 

また、放射線治療に携わる医師の場合、機械が仕事を代行する、というよりも機械を使ってより安全な手術をする、という方向に進んでいく気がします。

この場合は外科におけるロボット手術と同じような感じで機械との共存が進んでいくのかなぁと思いました。