僕はなぜ医師を志したか。

僕が医師になろうと決意したのは2014年の夏でした。2014年の前からうっすらと考えてはいたが、時間が経つにつれ、徐々にその熱が増してきた。これはもう自分のやりたいことなんだろうと思っていいだろう、と考え、現在に至ります。

 

今はとても高いモチベーションを持っていますが、いづれ来るかもしれない倦怠期に備えて、なぜ僕が医師として生きていきたいと思ったのかを記しておきたい。

 

■自分が仕事を通じて鬱病になった

僕は一社目に勤務した会社で鬱病にかかった。本当に苦しい時期だったと思う。それまでごく健康に育ってきて、心がぽきんと折れたことなんてなかった。だけど実は、人はそんなに強くない。心身が健康でなければ、普通に生活していくことだって難しい。これを実感したことが僕を医師という仕事を志したきっかけだと思う。

 

■自分の大切な人も病気で苦しんでいたのに積極的なサポートができなかった

 僕にとって大事なパートナーも僕と同じく苦しんでいた時期があった。ずっとに一緒にいたから、多少なりとも心の支えにはなれていたと思う。だけどやっぱり、それだけだと限界はある。僕に病気で苦しんでいる人を治せる知識や技能はない。「ああ、僕は無力だ・・・。」自分の大事な人の支えになれても、それを治してあげることはできない。当然と言えば当然だけど、それが僕には我慢がならなかったのだ。

 

■そういった経験を今後の人生を懸けて活かしたくなった

僕は今までの人生でそこまで何かに強烈な経験というものをしたことがなかった。だから、上に書いたような経験は僕にとっては価値観を変えるのに十分な出来事だったのだ。もしも出来るなら、心身の病で苦しんでいる人たちの苦しみや悩みを取り除いたり、和らげたりするサポートをしたいと思った。

 

ここからはどちらかというと、個人的な趣向だとか今後の経済動向とかを考えての話になるような気がする。

 

■専門的な技能や知識を身につけて働いていきたかった

今後僕たちは、残念ながら昔のような経済成長が見込めない中で生活をしていかないといけない。そうなると当然、企業が人材をずっと抱えていく終身雇用なんて期待できるはずがない。それを想像したら怖くなった、というのも大きな要因の一つだ。企業の中で安定して収入を得ていこうと考えると、経営者のような雇用を生み出していくポジションになるか、徹底して磨きあげたスキルを持つ専門職のポジションになるかしか道はないと思った。だけど、僕は残念ながらあまり経営者としてやってくようなタイプに見えなかったのだ。だから、残る一つのポジションとして専門的なスキルを持つ必要があると思った。

 

■勉強したことがそのまま日頃の業務に直結するような仕事に憧れた

僕が2社目に入った会社では、残念ながらあまり勉強して知識を取り入れてそれを業務に活かす、という文化がなかった。とにかく売れればokだし、それが結局自分の能力になる、という考えだったように思う。でも、僕はそれになじめなかったのだ。自分で言うのもなんだけど、僕はけっこう勉強することが好きだ。仕事をしていく中で、体系的に積み上がったものをキャッチアップして着実に出来ることを増やしていきたい、という志向を持っていることに改めて気付かされた。

 

■将来にわたって需要が見込める可能性が高い

最近は機械が人間の雇用を奪う、という論調が強いので医療という分野でもあまり確実に需要があるとは言えないと思うけれども。人が生まれて生活を営んでいく限り、何かしらの不具合は発生するのは変わらないと思う。そういう意味で、将来的にも仕事があるのではないかと思っている。

 

■もう一度大学で徹底的に勉強したかった

これは完全に個人的な欲求になるのだけど、もう一度大学で学問を修めたいと思っていた。恥ずかしい話だけど、僕は最初に入った大学ではあまり良い学生ではなかった。別に留年をしたり赤点ぎりぎりの成績を取ったりした訳ではなかったけれど。学問以外の課外活動に熱中し、あまり熱心に勉強しなかった。(おかげであるスポーツで全国ベスト8に入る腕前にはなったけれど。)僕にはこれが心残りだった。